ポップな不動産投資
収益物件を企閲し、収益物件を購入することは立派な事業ですから、安易な考えでやると大火傷を負いかねません。
賃料は賃貸業者に聞く。
それも出来る限り多くの業者に聞き、購入しようとしている物件の賃料を把握する。
正確に把握したうえで、再度利回りを計算してみる。
これが本当の意味での利回りになるのです。
決して他人のお仕着せの利回りで納得しないことが肝心です。
また、標準的な賃料が出ても、その賃料で確実に入居者がいるかどうかは疑問です。
収益物件を仲介する業者は、このような収益の基幹に関わることを、さも簡単な問題であるかのような口調で言います。
しかし少なくとも、収益物件で利益を得ようとするならば、不動産業者の安易な口車に乗って後で後悔するようなことはしないでください。
自らの目で見て、しっかりと判断するようにしたいものです。
今日では、学生マンションとはいえ、風呂トイレ付きのワンルームは当たり前ですが、聞くところによると、これからの学生マンションはユニットタイプではなく風呂とトイレが別のものがいいようです。
また、ワンルームの面積は今までは16〜18平方メートルが普通でしたが、これからの主流は23〜24平方メートルになってくるのではないかと言われています。
もしそのような学生マンションが主流になれば、ユニットバス付きのワンルームマンションの出現によって下宿風のアパートが京都から一挙に駆逐されたように、平米数の少ないマンションも、より大きな居住面積のものに駆逐される運命なのかですが、この地主や事業家がワンルームマンシヨンのニーズについて知悉しているわけではあ割りません。
キーポイントになる「学生の好み」を知っているのは、地主や事業家とぴったりくっついている賃貸業者です。
ですから、地主が新たにワンルームマンションを企画検討するときは、ほとんどの場合、有力な賃貸業者が介在します。
今弊社も学生マンションは門外ですから、企画の時は友人の賃貸業者に必ず現状況を確認し、それから設計にかかるようにしています。
ところで、京都の大学の所在地は北区、左京区に多く、新興住宅街の山科区や右京区、西京区にはほとんどありません。
ですから北区、左京区にあるワンルームマンションはよほど欠陥がないかぎり、毎年3月、4月になれば学生で満パイになりますが、山科、西京、右京等、大学の少ない地域のワンルームマンションは、時として空室のまま翌年まで持越すということもあります。
それでもワンルームの場合は、他物件より賃料を下げるとか、何らかの措置を講じると、何とか全室満パイにすることが出来ます。
ところが、賃料の高いファミリータイプの場合、地域によっては、1年間も入居者が入らないということはザラにあります。
また、賃貸業者は居住面積によって賃料の値付けをしますが、築年数の新しいものと古いもの、設備の良いものと悪いもの、採光の良いものと悪いもの、景観の良いものと悪いもの、利便性の良いものと悪いものなど、これらの条件を強く反映した賃料設定はしません。
ところが、同面械のマンションでも条件の善し悪しで、入居状況はことごとく違います。
収益物件の運営事業はこのような問題を1杯抱えての事業です。
不動産業者が言うままに賃貸収入を想定し、利回りはこのくらいで、金利を払ってもこれだけ残るという「狸の皮算用」だけで事業を進めていくことは極力避けるべきです。
収益物件は常にゆとりを持って、賃貸収入が想定額の半分にしかならなくてもやっていける状況で購入を検討するべきです。
余談になりますが、こんな話がありました。
以前、出入りの不動産業者から、ある大学近くの物件を紹介され、現場調査をしました。
物件は立地も良く、建物もしっかりしており、間取りも今風のものでしたので購入すべきだと判断し、銀行に融資の申込みに行ったのです。
たまたまそこに、懇意の弁護士が所用で来ており、久しぶりだったので4〜5分立ち話をしました。
話の中で、冗談も交えて先の物件の事例を出し、資産運営を考えた収益物件の購入の話をしました。
するとその弁護士は、私が購入しようとしている収益物件の場所に興味を示し、「何故そのような収益物件を購入するのか?」と問い返してきたのです。
私は当然のごとく「近くに大学があるからだ」と答えたのですが、たまたまその弁護士は大学の理事で、最近、理事会で大学移転の話が持ち上がり、ほぼ他府県に移転決定の段階まで進んでいるということでした。
その地域から大学がなくなれば、地域のワンルームマンションに対する需要は極端に落ち込みます。
今まで賃料4〜5万円で貸せたワンルームも、そのときは3〜4万円と1万円程度落ち込みます。
5万から4万、4万から3万というと20%以上の減益ですから、収益事業としてはメリットがありません。
これでは商売になりませんので、収益物件購入の件は取り止めにしました。
このような話は決して特異な話ではなく、収益物件売買の中ではよくある話なのです。
大学に限らず、有名デパートや大手スーパーのスクラップ化などにも関連して起こります。
一例を出すと、ある有名デパートが大増築改装計画に入り、今まで2箇所だった入口を5箇所にする計画を立てました。
その計画を一早く察知した入口近くの店舗所有者が、店舗側の入口が裏口のようになって極端にさびれることを予想し、まだ大改装計画が公にならないうちにこの店舗を高値で売り切ってしまったケースがあります。
まさか店舗側入口が裏口になり、今までと比べて人通りが極端にさびれることがわかっていたら、絶対に誰も買わなかったでしょう。
しかし、このような話はよくあります。
賃貸マンション経営者が、大学が移転する、その地域の経済を支配していた大きな工場が移転するなどの情報を一早く察知すると、高値で売れるときに売り逃げしようとして、一見利回りの高い賃貸マンションの売却を計るといったことが実際に起こるのです。
このような一見して価値のある物件に出会ったときは、裏に何かあるのか疑ってかかることは必要だと思います。
その地域について、出来る限りの調査をする慎重さが必要です。
特に、私どものように京都全体に土地勘があり、地価についても精通し、目を閉じていてもその地域なら歩けるという場所ならともかく、少しでも未知の部分があるのであれば、人に聞き、自分の足で歩き、詳しく調査する必要があるでしょう。
収益物件には、賃料収入は良いのだけれど居住者に問題があり、持主がそれを苦にして売りに出る物件もあります。
居住者に問題があるといっても様々な場合があり、例えば、賃料を払わない居住者がいるとか、近隣に迷惑をかける居住者がいる、暴力団風の連中が根城にしている、あるいは、Oのような集団が占拠しているとかなどです。
この中で最も問題なのは暴力団の占拠です。
君子危うきに近寄らずで、少々賃料収入が良かったとしても購入は控えた方が良いでしょう。
ただ、収益物件所有者の中にはきわめて神経質な人もいて(こんな人は最初からマンション経営などするべきではないのですが)、賃貸物件の居住者から何度か建物のクレームを受けたというだけで、マンション経営に嫌気がさして売りに出すケースがあります。
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